遺留分について教えてください
Q 私の遺言を作成する予定です。推定相続人は妻と長男、次男です。妻と次男とは不仲なので、遺産の全てを長男に相続させるという遺言を作成しようと思いますが、「遺留分」侵害額を請求されるかもと言われました。「遺留分」とは何ですか?「遺留分」侵害額はどのくらい請求されるのですか?
A 遺留分とは
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に対して法律で保証された最低限の遺産取得分のことを指します。これは、被相続人が遺言で自由に財産を処分しても、一定の近親者に最低限の相続権を保障するための制度です。
そのため、ご相談者におかれては「長男に遺産を全部相続させる」という遺言を作成していても、相続発生後に、配偶者や次男から長男に対し遺留分侵害額の請求をされることがあります。
遺留分侵害額の計算方法
遺留分侵害額の具体的な計算方法は次のとおりです。
遺留分侵害額=(1)遺留分権利者の個別的遺留分-(2)遺留分権利者が受けた遺贈・贈与-(3)遺留分権利者が具体的相続分に応じて取得する遺産の価額+(4)遺留分権利者が承継する相続債務の額
(1)遺留分権利者の個別的遺留分について、以下補足します。
遺留分権利者の個別的遺留分は、次の計算式により算定されます。
遺留分権利者の個別的遺留分=①基礎財産×②総体的遺留分×③各自の法定相続分
① 基礎財産
基礎財産の算定式は以下のとおりです(民法1043条)。
基礎財産=①相続開始時の財産+②生前贈与-③相続債務
このうち、②の生前贈与には以下のものがあります。
・相続開始前10年以内に行われた相続人への贈与
・相続開始前1年以内に行われた相続人以外への贈与
・贈与者と受贈者が遺留分権利者に損害を与えることを知って行った贈与
② 総体的遺留分
配偶者・子が相続人にいる場合 1/2
直系尊属のみの場合 1/3
③ 各自の法定相続分
例)<配偶者と子2人の場合>
配偶者 1/2
子 1/2×1/2=1/4
これらの計算方法により、遺留分が侵害されている場合、遺留分権利者は遺留分侵害額を請求することができます。
まとめ
遺留分については、遺言を作成するとき、遺言により遺留分を侵害されたとき、など遺言に関わる重要な課題になります。
弁護士法人ウィンクルム法律事務所では、遺留分に関わる案件を数多く取り扱っております。
遺留分についてお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
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